| 17日(土) | 18日(日) | 24日(土) | 25日(日) |
|---|---|---|---|
| 16:00 | 16:00 | 16:00 | 16:00 |
開場は開演20分前、受付は開演30分前
| 兄弟編(17・18日) | 木之内平蔵 | 甲斐博和 |
|---|---|---|
| 木之内トコ | 円谷久美子 | |
| 女 | 佐藤裕香 | |
| 姉弟編(24・25日) | 木之内ヒロカズ | 甲斐博和 |
| 木之内トコ | 円谷久美子 | |
| 女 | 佐藤裕香 |
| 作・演出 | 甲斐博和 |
|---|---|
| 照明設計 | 由利優樹 |
| 宣伝美術 | 中農稔 |
| 協力 | 旅館 西郊、COLLOL、ポタライブ、背番号零、笠木真人、大森真由美、布川恵太、国吉さん |
| 制作 | 徒花* |
今回は、ホテル新世界と、
兄妹と、そして光の話。
福島のとある町、
小高い丘にある新世界というラブホテルが
町を一番高いところから見下ろしていて
活気も覇気もない、どこにでもある、
あきらめられた町。
工場をたたんで細々と電気屋を営む家族の
兄と妹(姉と弟)が二人、
商店街の福引きで当たった
ディズニーランドのペアチケットを握って
東京は百景荘という旅館にやってくる二月の週末。
幸せな未来を目前にした妹(姉)は東京を満喫し
兄(弟)は密かな夢であるネオン管技師になるため、
叔父さんのネオン管工場へと見学に行っていた。
二人は全く違う時間を体験し、
それぞれの想いを抱え、
簡素で無愛想な旅館へと戻ってくる。
今、東京はどこかざわめき
どこか疎ましくて
全てがあるようで
なにもなくて
それでも誰しもを受け入れる。
その一角で
中央線沿線の荻窪という駅から少し離れ
時間にとりのこされたような旅館の中
梅がほころんでいる庭は日当りが悪く湿っていて
縁の下ではまるまるとした黒い猫が寝ていて
五時。 空が、音もなく、暗くなる。
全て照明 由利優樹さんによる舞台写真です。
荻窪の西郊というところでの演劇は2回目。
もともと大倉マヤさんという女優さんに、
演劇関係の方がそこでかるた大会をやっていた、
ということを耳にして、
じゃあ芝居はどうだろうと、
交渉の末、利用権を獲得。
もともと建築的に気になっていた場所ではあり、
しかも西郊でのお芝居は創立以来初ということで
「百景荘」という前回公演から、
西郊は徒花*にとっては大切な場所になった。
しかし、他の団体もお芝居をやるようになる流れを目にしたので、
今後はしばらくやらないとは決めたので、
今回が西郊最後の芝居になるかもしれませんが、
再演したくなるような、個人的には思い入れのある芝居でした。
もちろん台本や役者やその他、改善点はたくさんあるのですが、
もともと人数が少ない芝居を書こうと、また現実にある場所で
現実的な、生活の匂いがする芝居をやりたいと思っていたので、
ほぼ二人芝居だった今回、もっともミニマムであり、
やりたいことに忠実であったと思います。
東京現代劇を、
町のひかりと、東京の景色と、
そして家族という核を、
それはきっとこれからも同じようなテーマで書き続けるのだろうけれど、
今回は今までになく濃密な愛とロマンを感じる事ができるものであった気がします。
ネオン管という取り残されたような照明の一つの形に感じるロマンは、
同時に、失ってしまったなにかや、
間違えてしまったなにかを強烈に思い出す切なさに似ていると思います。
間違えというものは故意的なものでなくても、
それでも誰かにとっては嘘になるのです。
そしてそれは知らぬ間に積もっています。
数えてもむなしく、あばいてもむなしく、
それでも人は前に進み、ほんとうとうそを繰り返し、
なにか愛おしいものを傷つけ、
傷つけるほどに自分が傷つき、
それはなにか、狂おしい程に優しいのです。