よもやま

犯罪99

御用達ショップ、ショップ99にて、
人生初めて、多分、多分の域を出ないが、万引きを見たように思う。

法を犯す、ということにすごく敏感ではないが、
人のものをとる、というのはそれなりに良くない。

しかしながら、戦後の、なんだあの、
八百屋とかのバナナをかっさらっていく子どもを
捕まえて言及しようとは思えない。
だっておじさんも、怒りはするけど、最終的にはしょうがねえな、と、
苦笑うだろうから。

本当に悪い事をしたならば、きちんとその原因を話し、結果を想像し、
認識をさせなければならないとは思う。

ただ、何が悪いのかたまにわからなくなる。

人を傷つけるのは良くない。
外的にはもちろん、内的にもだ。
でも、ものをつくる、ということは、
どうしたって誰かを傷つけるように思うし、
だからといって歩みをとめる気もない。
暴力はほんとうに嫌いだけれど、
ある種の暴力をふるわないとものは作れないようにも思う。

これは話がまとまらないので本題にはいる。

その99ショップにいた白髪の老婆は、
穴のあいたジャンパーを着ていて、よたよたと歩き、
なにか不自然な格好をしながら僕と一度すれちがい、
なんとなく気になったままレジで会計を済ませている僕の横を通り過ぎ、
外へ出て行った。

そして自転車にのりこみながら、
何かをジャンパーから出して籠に入れた。

その時点でお会計を、という店員を見返し、
そして彼女を見返し、た、時には彼女はいなかった。

その瞬間、僕が考えていたのは、
人のものを盗るのは悪い事だけれど、
ここは俺が支払っとくから、とりあえず持って帰りな。そして願わくば、
あんたがどんな生活をしているのか見せてくれ。

といったストーリーだった。

ただ、その自転車の籠にいれたものが、
果たして彼女の財布や私物だったのか、
それとも店のものだったのかは、
ほんとうに分からなくて、
それは結局なんの行動にも結びつかなかった。

一瞬は一瞬のまま過ぎ、
店員は僕におつりを渡すと、
他の客にむかって、いらっしゃいませー、と連呼していた。

人は飯を食べなければ死ぬ。
金がなければ飯が食えない。
働き口も見つからなければ、
盗むしかないのか。

隣人は助けられても、全員は無理だ。
でも見てしまったのなら、行動には移すべきだろう。

結局あれがどっちだったのかはどうでもいいことで、
そう、と思った時に動く何かの力が、
年々薄くなっているように思ったのが、ちょっと悲しかったのだ。

おおよそ自分を殺さないもの以外は、全て糧である。
だから、躊躇なんてしなくていいのだきっと。

直感にしたがって、行動をしなければ、と、改めて思った。

http://www.toca.jp/days/99.html
甲斐博和
2008.10.31