よもやま

41分31秒

Long Season という曲の長さである。
言わずもがな、フィッシュマンズの名曲である。

飽きっぽいのでこの長さとちゃんと向き合って聞き込む、
というよりは
環境音楽として流し聞きすることが多いが、
やっぱ音一つとっても歓喜と物悲しさが同居している感覚は
遠くに光が見えるような広がりは
たまらない気分になる。

もう、新しい曲は出ない、という事実も込みで。

それはそれとして、
40分も、しかもこれはライブで、
演奏し続けるのはすごいなあ、と素直に思う。

途中で入る子どもの合唱は、
その前後にじいっと押し黙っている子ども達が心配になる。

40分。
俺がギターだったら途中でピックなくすな、とか、
ボーカルだったら唾でマイクがひたひたになるな、とか、
余計なことも頭によぎるが、
その集中力たるや、すごいなあ、と。

今回の芝居もいつもどおり、
お客さんのお尻が痛くなるのを防ぐ為にも
長くても1時間40分なのだが、
けっこう出ずっぱりの人もいて、
その集中力というか張りつめ感を見ていると、
こんな、人生をすりへらすような、
刀の刃の上を歩くような時間が100分も続くわけで、
その苦しみというか疲労は筆舌に尽くせないのだろうな、と。

そして泥のように疲れて家に帰り、
稽古の復習をして
ああ風呂にはいらなきゃとおもいながら
ホットカーペットにくるまりながら息絶え
朝まったく頭が起きていない状態で
惰性で持って仕事にいく。

ある意味地獄だ。
表現とはつまり地獄だ。

半ニートといえど
相当忙しく
金もなければ暇もないこの状態で
人の心配をする余裕もないのだけれど
地獄の業火にまかれることを承知で
おつきあい頂いている才能ある役者陣やスタッフさん達には
まずもって健康でいてほしいし、
なによりありがたく思うのだった。

春の穏やかな光と暖かさは僕を、
さだまさしの名曲、秋桜に出てくる母に似た、
我が子を微笑みながら送り出すような
そんな気分にさせるのだった。

特に誰をどこに送り出すわけでもなく
今日もこれから地獄が始まるわけではあるけれど。

http://www.toca.jp/days/4131.html
甲斐博和
2008.03.11