よもやま

稽古日誌3月19日。


今日から稽古日誌を書く。
針のむしろにダイビングするようだと形容されることが多い
TOCA*の現場ではあるが、
今回は比較的和やかだ。
髪の毛もそんなに抜けない。

僕が紙パックの鬼殺しを飲む事もなく
袋菓子(キャラメルコーン、通称キャラコン)を
ぼりぼり齧りながら粉を吹き飛ばしながら
「芝居辞めてさ、実家帰ったほうがいいんじゃないの?」
なんてお前は理解の無いお父さんか、
というような事を口走る事もなく、
穏やかに滑りのいい冗談が滑っている。

なぜかというと、今回はTOCA* 初体験がいないからだ。
ノットチェリーボーイズ&おぼこ娘。

人間性を疑われ、
時には走らされ、
時には踊らされる(人生に)
そんな苦渋を舐めて尚、
再出演してくれた役者陣は、
どこに出しても恥ずかしくない息子&娘に仕上がっていた。

一駆け出し演出家として、
こういうものを良いと思うんだよ、
ということを力説したときに、
それが実感として伝わる、
それはある素晴らしいコミュニケーションの、
ハート形のカタチ。

仲良しサークルのようななあなあ感はまったくないけれど
運命共同体としての密度は
今迄のどの公演よりも高い。

だからその分、
僕や石川油の、
役者としての役割が明確に見え、
あますところなく発する事ができるわけで。

どこまで転がれるのかが
胸躍る程に未知数。

燃焼する事をよしとするのも乱暴ではあるが、
脳髄と脊髄を全力で使うような芝居に没頭する時間を
ただただ、幸せに思うのだった。

飲み物を飲むのすら、忘れる程に。

決してそれは金がなくて
105円のジュースも買えなかったからでは、ない。

お菓子をとるか、飲み物をとるか、
どちらか一つしかない、という、
選択肢の幅の狭さは問題ではあるが。

http://www.toca.jp/days/319.html
甲斐博和
2008.03.20